免許取得と安全運転支援センター

 

体に障害があっても、自動車を自分で運転して好きな時に好きな場所へ自由に出かける。
そんな積極的な生き方を選択する障害者が増えています。
足が不自由でも、手が不自由でも、手足の両方に不自由があっても、適正な手続きと、障害に合わせた運転補助装置を組み合わせて、車を運転できる時代になりました。
「障害者は家でおとなしくしていればいい」そんな時代はとうの昔に過ぎ去ったのです。

その一方で、病気や障害に起因した自動車事故は、近年大きな社会問題となっていることも事実です。
平成26年の改正道路交通法では、「一定の症状を呈する病気等」に起因した交通事故に適用となる「危険運転致死傷罪」が施行されました。
最高刑は懲役15年と、大変重い罪に問われます。
平成26年中に全国で25件(一定の症状を呈する病気等+服薬の副作用)の適用件数がありました。
実際に当会にも、事故起こしたドライバーやそのご家族からの相談も来ているのが現状です。

私たちは、運転を希望する全ての方のお役に立てればと活動を行っていますが、残念ながら現実には運転はあきらめなければならない方がたくさんいらっしゃいます。
平成26年6月から平成27年5月末までの1年間に、病気や障害を理由に免許取り消し処分を受けた方は全国で7711人です。
この数字は前年比で2,5倍に増加しており、増加は今後もさらに続くのではないか、と当会では考えています。
特に認知機能に障害があるケースでは、免許取得や免許更新は困難な現状です。

 

(下表)増加し続ける病気等による行政処分

一定の病気等に該当することを理由とする運転免許の行政処分の状況(警察庁資料)

  統合失調症 てんかん 再発性失神 認知症 その他 計(件数)
H25年6月~H26年5月 440 816 399 684 725 3,064
H26年6月~H27年5月 1,006 2,313 926 1,165 2,301 7,711
増減 2,3倍 2,8倍 2,3倍 1,7倍 3,2倍 2,5倍

運転の可否判断の要素

◆ 運転の可否を最終的に判断するのは、お住まいの地域の免許センターです。判断に際しては以下のような要素が勘案されます。
  ①身体障害の状況(座席へのトランスファー・着座姿勢の維持・ブレーキ操作時やハンドル操作時の筋力など)
  ②認知機能(安全な自動車運転に必要とされる認知機能全般)
  ③再発、発作の可能性(病気の再発など)
  ④服薬中のお薬の成分(運転禁止成分の有無)*診断書の可否判断には影響しませんが、診断書では運転可であるが、服薬中は運転を控えるよう助言することが出来ます。
  *②~③については、主に医師の診断書により評価されます。

◆ 誰が判断するの?
  運転の可否判断の最終決定は、お住まいの地域の免許センターで行います。

免許手続きの流れ

●新規取得の場合

●すでに免許をお持ちの方

医師の診断書について

免許センターでの臨時適性検査の際に、医師の診断書の提出が求められることがあります。
免許センター提出の診断書は、病気や障害の状況によって複数の専用書式があります。求められた場合は主治医に相談してください。
病院では、病気や障害の状況、再発の可能性や服薬状況等を総合的に評価し、診断書を作成します。
なお、診断書を発行してもらったら、必ず内容を確認し、運転不可の診断だった場合は、何が原因で不可の診断なのか?について、説明を求めましょう。
原因を知ることで、今後のリハビリの参考にすることが出来ます。
また、診断書作成の依頼をする際には、運転の再開についての家族の意向(運転再開への家族としての賛否)を医師に対して示すことは大切です。

免許取り消しとなった場合

「自動車運転は単なる移動手段では無い」と考える人はたくさんいます。
高齢になればなるほど、「運転」という行為に特別な想いを重ねている人はたくさんいます。
運転そのものに喜びを感じる方、父親であれば家族を守ると言う気持ちの象徴として運転を感じている方も居ます。
これまで違反も無く何十年も安全運転を心がけてきた方が、運転人生の最後に免許取り消しの行政処分を受けるということは、屈辱と感じるのは当然です。
このようなご本人の気持ちを察して、ケアしてくださる家族がいることは大切なことです。
運転不可で失われたドライバーの自尊心を埋め合わせる何かが必要です。
例えば、家族のために運転をされてきた方へ対して、家族からの手作り感謝状を渡してみる。のも良いかもしれません。
また、認知機能障害の影響で、自分が病気であることを認識できない(いわゆる病識がない状態)ケースも少なくありません。
免許の取り消しを認めず、無免許で運転しようとする方のご家族から相談を受けることがあります。
車のキーを隠しても、探し出して運転する。特に認知機能障害の方ではこのようなケースがあると聞いています。
このようなケースで万が一事故が起きたら取り返しがつかないことになりかねません。
残念ですが最寄の警察署へ相談することをお勧めします。 

免許取得と安全運転支援センターでは、以下のページで様々な情報発信をしています。

ご相談やご質問は電話0428-78-7330(10:00~17:00)、またはこちらの問い合わせフォーム(24時間受付)よりお願いいたします。

なお、常駐スタッフがおりませんので、出来るだけ問い合わせフォームよりお願いします。

◆ご相談にあたってのご注意事項

●当事者(病気や障害をお持ちのご本人)の年齢や障害の程度、病状などはできるだけ詳細に記載することをお勧めいたします。

●相談にあたって収集した個人情報は、相談への返信等に使用するほか、個人が特定できない範囲で集計した上で、統計情報として調査研究事業などに利用し、公益に資する範囲で公開、発表、第3者への提供を行うことがあります。