医師・薬剤師から運転を控えるよう助言を受けた方へ

「免許を持っていても運転はダメ」というケースは少なくありません。

身体障害や病気等の影響で、臨時適性検査で合格したとしても、「運転はできない」というケースは少なくありません。

一見矛盾しているように感じますが、どんなケースがあるのかご紹介しましょう。

  • 運転禁止医薬品の服用
  • 病気の再発の可能性がある
  • その他医学的に運転を控えなければならい理由
運転禁止医薬品の服用
臨時適性検査で合格したので早速運転を再開!しかし、あなたがもし「運転禁止医薬品」に該当する薬を飲んでいるのなら、あなたはその薬の服用が終わるまで運転することはできません。臨時適性検査や診断書提出命令を受ける人が「運転禁止医薬品」を服用しているケースは少なくありません。服薬による運転禁止は主治医、または薬剤師より告知されます。主治医によっては正式な書面で告知されることもありますし、薬剤師の場合は口頭というよりも、処方された薬と一緒に渡される「薬の説明書き」に記載されています。服薬の影響で運転を控えるよう助言を受けた場合は、該当する薬の服用が終わった時点までは、運転するすることはできません。どうしても運転する必要がある場合は、薬の種類を代えてもらうなど、主治医と相談します。
運転禁止医薬品とは?
主に意識障害や麻痺、眠気、判断力の低下などの副作用が現れる薬が対象です。抗うつ剤や抗てんかん薬などの向精神薬。強い痛み止め、降圧剤等が対象になっています。同じ効き目の薬であっても、種類や銘柄によって副作用は様々異なりますので、医薬品の処方を受ける場合は、その説明書きなどをよく読みましょう。運転中の薬の副作用で事故を起こす人は、当会の会員にもたくさんいます。
「運転を控えるよう」どのように告知される?
主治医や薬剤師は運転禁止医薬品を処方する際には、患者に対して「運転の禁止」について必ず説明することになっています。主治医から口頭で言われることもありますし、薬剤師から渡される薬の説明書きに記載されている場合もあります。説明書きを読んでいないという人もいるかもしれません、読んでいるかいないかは関係なく、説明書きを受け取った時点で読んだとみなされます。
再発の可能性がある
病気によっては再発する可能性のある病気があります。再発の可能性がある場合、主治医は運転を禁止することがあります。
治癒前の状態の場合
骨折などでハンドルやペダルの操作が出来ない場合、治癒するまでの期間は運転を禁止することがあります。
主治医の運転禁止指示は、法律的にも非常に重いです。
主治医から運転を控えるよう言われても、「そんな大げさな」と軽く考える人がいますが、主治医の指示は、法律的にも非常に重く、軽視してはいけません。
「運転を控えるよう」助言を受けたのに運転して事故を起こした
主治医や薬剤師から運転を控えるよう、また禁止する旨の告知を受けたのに助言を無視して運転することは道路交通法で禁止されていますが、もし、事故が起きた場合は、通常の物損事故や人身事故としては扱わず「危険運転致死傷罪」に問われることがあります。危険運転致死傷罪は、あおり運転や覚せい剤中毒、飲酒運転、暴走行為などが対象になる、非常に重い罪です。
  致傷 致死 合計
統合失調症 4 0 4
てんかん発作 40 2 42
再発性の失神 4 1 5
低血糖 17 1 18
そう鬱病 3 0 3
重度の眠気の症状を呈する睡眠障害 5 2 7
医薬品等薬物 23 0 23
強化された危険運転致死傷罪の捜査
警察庁は2019年から病気や障害のある人の危険運転致死傷捜査の強化を始めています。例えば、事故が起きた時の加害ドライバーの通院歴、病歴、どんな薬を飲んでいるのか?医師や薬剤師から助言を受けていないか?などを専門に調べる部署を作って、事故捜査に生かしています。昔はこれほど詳しく調べることはほとんどありませんでしたが、今は違います。危険運転致傷罪で刑務所へ行くか?許可が出るまでは運転を辞めておくか?決めるのはあなた自身です。
当会の相談者の中にも刑務所に入っている人がいます
主治医や薬剤師から運転を控えるよう言われたが運転を継続している、という相談がくることが度々あります。当会からは「医療従事者からの助言は非常に重い」ので、運転をしないようアドバイスを行いましたが、残念ながらその後も運転を続けて事故を起こし、現在服役中の人が何人かいます。主治医や薬剤師から言われる助言は、家族や友人から言われるのとは、法的な重みが全く異なります。十分気を付けましょう。
運転を控えるよう助言を受けたら
絶対に運転してはいけません。また、薬以外にも運転を控える理由は様々あります。控えるよう助言を受けたら「その理由(原因)を正確に理解」して、どうやったら原因を取り除けるのか?主治医と相談しましょう。
医療機関の役割
服薬の他、患者に運転を控えるよう助言を与えることは、医療機関として少なくない事例があるはずです。もし、担当の患者が「事故の当事者」になって欲しくない、と本気でお考えであれば、適切な助言を与えるべきです。患者は、医療従事者が「運転を控えるよう助言を与える」ことの重大性やその意味について十分な知識を持っていません。こちらのページを参考にして、医療機関内での意思統一を図ったうえで、適切に助言することが大切です。